NHKのニュースサイトによれば、青色LEDの開発に成功し、ノーベル物理学賞を受けることになったカリフォルニア大学教授の中村さんは若い研究者に向けて、『一番大切なのは、自分が何を得意として何をやりたいのかを見つけ、基礎的な勉強をきちんとやることだ。好きなことであれば勉強は苦にはならない』とNHKの単独インタビューで話したそうだ。
ちょっとずれて連想すると、大人のアマチュアチェリストにも当てはまる事ではないだろうか。若い頃なら、何でもやってみたいし、出来るし、クラシックに限らずポピュラーでもロックでも何でも遊んでみたいだろう。けれど、大人になって始めて残りもそう多くない人にとって、本当に何がしたいのかを見極めることは大切だ。そして(そういう自分にとっての)「基礎的な勉強」それが何であるかを知ることは最重要課題だ。実は、これがなかなか分からないのではないだろうか。分かるにしてもそうと分かるまでに相当の時間と経験がいる。
チェロを思うように弾くには沢山の課題があってとてもやりきれない。得意とすることとやりたいことが一致していればまだ良い方だが、やりたいことがあっても向いてないとか、無理ということもあるだろう。ただ漠然とヨーヨーマのように弾きたいとかではなく、最終的にチェロでどういう演奏をしたいのか、と言うことが明確でないと、何に気をつけるのかが分からない。グジャグジャ言ってないでひたすら練習せよ、と言われればそれはその通り、だが、大人には時間がない。時間のない大人には、意味が必要だ。今やっている何でもない基礎練習が自分の目指す演奏のためにどんな役に立つのか、それを明確に知っていることは大きな動機付けになり、そうであれば練習は楽しく苦にならないだろう。毎日沢山の練習時間がなくても、1日5分でも、花に水をやるように、その命を育てるような基礎練習をやることは出来ないだろうか。山ほどある自分の欠点を直していくための練習も必要だけれど、修正だけやっているとそれで終わってしまいそう(^^;) 少しで良いから前向きに育てていけるようなものも必要。
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