クリスマスイブは,祇園のカウンター8席だけの小さな懐石料理店で,京都の友人夫婦と食事。今年4月に,そば懐石を食べて,その時予約しておいたのでした。20年来の贔屓と言うことで、ご主人とのまるで漫才のようなやりとりを聴きながら、美しい漆のお盆で次々と出される料理に舌鼓。気が付けば3時間以上も食べ続けていました。様々に工夫された京野菜、トロ、マイカ,ノドグロ、あんこう、ウニ・・・、焼きカニ、ふぐ、スッポン鍋・・
もうお腹いっぱいなのに、最後は、土鍋ご飯。たこ、鮭、穴子、牡蠣、百合根、栗、のうちから選んで目の前で炊きあげると言うことで、2夫婦なので、牡蠣と穴子をお願いしました。我が家も昨年から土鍋でご飯を炊いていますが、こんな風に綺麗なお焦げを作れるように工夫してみたい。食べきれなかったのはおにぎりにしましょうというので笹の葉に包んでくれたのがこれ。大満足です。
以前,「京都 しあわせ食堂」という大衆食堂を扱った本を買ってあって、それを少しづつ挑戦していますが、東桐院通りと仏光寺通りの交差点にある「 サフランサフラン」という店が、古い町屋を改造した店の雰囲気、味、サービス、コスパ・・お勧め。大概の大衆食堂は喫煙可なのが問題ですが,ここは、禁煙のようです。
上の料理は、「海老フライと甘エビのクリームコロッケ&アスパラクリーミーロールセット」 990円
下の料理が、「本日のランチセット」 860円 です。どれも丁寧に作られていてとてもおいしいのです。
この店、外観や料理内容はいわゆる大衆食堂とは言えない感じですが、値段やメニューの豊富さ、気楽さはその辺のレストランとは違います。
近頃,都会では大衆食堂というものはなくなってきて、代わりに、大戸屋とかやよい軒とかのチェーン店が増えていますが、それらは全国共通一般的で過不足ない味付けになっていて特に魅力は感じませんが、京都の大衆食堂は、それぞれ個性があり主張があって、思わず旨い!と言いたくなるような魅力があります。六波羅蜜寺のそばにある六波羅飯店は、綺麗とは言えない昔ながらの中華屋さんですが,この味、50年前高校時代に慣れ親しんだ味、懐かしい!です。色んな出会いがあって楽しい。
祇園の料理店のご主人が、私がチェロを弾くというのを聞いて、真顔になって「絵とか音楽とか,そうですけど、音だけで人を感動させるというのは素晴らしいと思います。私も是非そういう風になってみたいと思ってるんです。料理の技術というようなもんは、誰でも長くやっていれば身につくもんやけど、それだけじゃあかん・・・」
後からちょっと考えてみたけど、確かに、そう言われれば音だけ聞いて人が感動するとか、動かない絵を見て感動するとかは不思議でもあるけれど、料理は,視覚・触覚・味覚等々に関わる言わば総合芸術で、むしろどんな芸術より人の根本に深く響いてそして長く影響するのではないだろうか。てな事は「美味しんぼ」に任せることにして、やっぱり演奏は人が感動しなければどんなに上手でも話にならないというのは事実だろう。
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