テレビのニュースで梅原猛さんが93歳で亡くなったと知った。哲学者というより、深い知識教養ととらわれのない独特の視点で、日本について鋭い洞察を見せたことで名高い。若い頃とても影響を受けた人の1人だ。
最初に読んだのは高校2年の時、「地獄の思想 日本精神の一系譜」(中公文庫) 平易な表現でたたみかけるように熱く深く語る調子に、すっかり魅せられ何度も何度も読み返したものだ。その次は、「仏像ー心とかたち」(1963 NHKブックス20)、「隠された十字架 ー法隆寺論」、「仏教の思想、全12巻」などなど、どれも読み始めたら止まらない面白さで、一読をお勧めする。この機会に読み返したり、読んでいなかった本を新たに購入しようかと思う。
若い頃の氏の言葉の中でずっと印象に残っているのは、ニーチェになぞらえて「ハンマーの哲学」とご自身を捉えていたこと。鉄道員が車体が健康であるかどうか不具合はないかと、ハンマーで車体をたたいて検査するように、常識や既成概念で固まっている社会や無事に収まっているような人を叩いてみると言うことだ。叩いてその反応で初めてその本質が分かる。(思い出してみれば、そんなことから私の毒舌や初対面の人にいきなりとんでもないことを言ったりする悪い癖がついてしまった(^^;)のだと思う。良いことではないので、若干反省もする今日この頃)
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