チェロの名曲は沢山ありますし、練習過程で弾いていく定番曲もありますが、全てを離れてただ好きな曲・弾いてみたい曲と言えば、J.S.バッハ「アダージョ」(オルガントッカータBWV564より)(一部視聴可)、これですね。楽譜はこれ。
これは、カザルスの昔からあるビクターのレコードの中のもので、まだチェロを習い始めたばかりでレコードも少なく、曲も知らず、こればかり聴いていたような気がします。
私は、人が貸してくれたレコードでカザルスのドボルザークのコンチェルト(と言うか、出だしの第1音だけで十分(^-^))を聴いたのがチェロを始めるきっかけでしたが、それ以外にチェロを聴いたことがなかったし、つぎに買ったのはバッハの無伴奏、そしてこの小品集でした。この「アダージョ」のしみじみとした変幻自在な演奏には心奪われました。この演奏を聴いてそしてバッハの無伴奏を聴くとカザルスの音楽をもっと身近に知ることができるでしょう。
レコードを聴いているとそんなに難しくなさそうで弾けそうな気がするのですが、実際に弾いてみると音程とか難しいし、ただ上辺だけなぞってもちっともよくないし(それはどの曲でも同じですが(^^;;)、人生経験とか乏しいと曲にならないという感じがしますね。
上手な演奏家は昔より遥かに増えたと思います。更にかっこ良い(イケメン?)とか話題性があるとか、まぁ音楽産業に貢献しているらしいそういう演奏家もむやみにいますが、余計なものを消し去って演奏だけを聴いて「魂を奪われる」ようなチェリストがどれだけいるでしょう。つまり本当の芸術家、その人間性と音楽が一体化したような畏敬の対象になるような、1度聴いたら人生観が変わってしまうような(^^)・・それは私にとってはカザルスが第一番。
オリジナルのオルガン演奏〜YouTubeより
コメント